文章の主役と補佐の役割分担をする!
WEBの文章は縦の文化です。スマホでもPCでも上から下に読みすすめていきますよね。なので、大事なポイントは、全体の文章の1/3よりも前に書くというのが鉄則です。
今ライティングの講座をしているのですが、生徒さんの原稿を添削していてよく指摘することが、なかなか、主旨となるポイントにいきつかないという課題です。
“なぜ、なかなか主旨にいけないのかな?”と文章の要素を考えてみたのですが、書き手の体験談が長すぎるという共通項があることに気づきました。
そもそも、具体的な体験談を入れるのはとても効果的で、読み手にその時の書き手の経験や気持ちをイメージしやすくなるというメリットがあります。
ですが、この体験談を入れる時に、一つだけ注意すべきポイントがあるのです。
体験談は脇役、コンパクトにするということです。
多くの生徒さんが、自分の経験を詳細に伝えたいがあまり、熱が入り文章が長くなってしまうことが多いのです。その体験談にボリュームが出ると、文章の核が曖昧になり、何を言いたい文章なのか、わからなくなってしまうという傾向があります。
そもそも、読み手が記事を読んでくれるのは、書き手の個人的な体験を知りたいからではなく、その文章を読んで何らかのメリットがあると感じてくれるからです。
ですが、そのメリットにたどり着くまでの文章が長すぎると、読んでいて飽きてしまうのです。
体験談は、あくまで自分が主張したいエッセンスをわかりやすくするための肉付け要素なので、主役ではなく、補佐的な存在です。
なので、補佐的な役割である体験談が長くなってしまっては、肝心な主役が目立たなくなってしまうのです。
ここで例をあげて説明してみます。
例えばですが、「社会人向け短期留学の案内」の文章を書きたいとします。
構成としては以下のような感じです。
①その書き手の人はキャリアウーマンで毎日仕事が忙しく、自分の時間がほぼない状態で疲れていた。
②たまたま友人の紹介でカナダの短期留学の話しを聞き、心動くものがあり、思いきって休みをとり留学を決意。
③豊かな自然と親切なカナダ人。自分と家族をまず第一に考え、その残りを仕事や趣味にあてるという考え方に感動する。
④短期留学をすることで、視野が変わり、時間の使い方を学んだ。
その結果、日本帰国後も、時間に追われることなく、時間をコントロールすることができるようになった。
結論:忙しい社会人こそ、凝り固まった自分を解放し、自分を見つめ直すためにも、短期留学がおすすめです。
このような展開だとしますよね。この書き手の人が一番いいたいのは、「結論の社会人の短期留学のメリット」です。
なんですが、生徒さんのライティング原稿をチェックしていると、導入である①の自分が辛かった体験が長すぎてしまうというケースがよくあります。
読み手の人は「短期留学の話しを読みたい」と思って、記事を見てくれたのに、体験談が多いと、“妙に個人的な話しばかりだな”、“文章も長くて読むの面倒だな”と、文章を読むのに飽きてしまいます。
それではせっかく書いた文章ももったいないですよね。
なので、効果的に文章の主旨を理解してもらうためにも、体験談はあくまで脇役に、コンパクトにわかりやすくするというのがおすすめです。
大切なのは、文章の主役と補佐の役割分担をすることです。
WEBの文章は縦の文化なので、大事なポイントを読んでもらう前に離脱されては困ります。言いたいポイントは文章の1/3よりも前に必ず書くのがおすすめです。
ぜひ、自身の文章を読み返した時に、チェックしてみてくださいね。